代表取締役社長の依田智夫です。ここでは、私の経歴とシナジー研究所の目指すところ について説明させていただきます。
私は、1997年にシナジー研究所を設立しましたが、それ以前は、東洋エンジニアリングというプラント建設の会社に勤務しておりました。と言いましても、設計・調達・工事と言ったプラント建設に直接かかわる仕事ではなく、そこで必要とされる情報システムを開発するシステムエンジニアとして、間接的にプラント建設を支える仕事に携わっておりました。
間接的ではありましたが、プラント建設の仕事はとても刺激的であり、そこで学んだものはその後の私の人生に大きく影響を与えるものとなりました。
そもそも学生時代に東洋エンジニアリングという会社に魅力を感じたのは、プラント建設というとても物理的な行為を生業としながらこの会社が工場を全く持っていないことでした。かといって商社というわけでもなく商社は別に存在してそことも協力しながら仕事を進めていくのです。入社前には「そんな怪しい会社はやめろ!」と家族から諭されたりもしました。
工場がないのにプラント建設ができる理由、それは調達という考え方と図面の活用の二つがあるためと考えています。工場がないのだから必要なものは買う、それが調達です。しかし、調達するためには必要なものを正確に表現してその仕様を伝えなければならない、それを可能にするのが図面でした。図面は、調達のためだけではなく、プラント建設会社内部や、建設工事現場でのコミュニケーションの際にも活用されます。
この調達と図面の世界をごく自然に受け止めながら私はしだいにオブジェクト指向やモデリングと言ったソフトウェア開発技術に興味を持ち、最終的にシナジー研究所を設立しました。
このような経歴があるために、私はソフトウェア開発において自前ということに全くこだわりません。必要なものは最も適した会社や人に開発をお願いすればよい。しかし、そのためには、きちんと必要なものを表現し仕様を明らかにしなければならない。ソフトウェア開発においてそれを可能にするのがオブジェクト指向やモデリングといった技術でした。これらの技術の有効性への確信は、東洋エンジニアリングでの経験があったからと言えます。
(2017年4月 三井倶楽部で行われたシナジー研究所の20周年記念パーティー)
2018年で会社を設立して21年目となりました。昨年は20周年記念パーティーを開いて大勢の方々に参加していただくことができました。これからは、従来から手掛けてきたビジネス系システムへの投資方法やその収益性向上のための方法を考えていきたいと思います。
システム開発のプロジェクトは失敗が多く、さまざまな課題が山積みです。その究極の原因は、個別のシステム開発がコストとしての扱いしか受けていないからだと思います。もし、システム開発から多くの収益が得られるのであれば、当然、しっかりと予算をかけることができるようになり、失敗を防ぐ手立てをあらかじめ講じることもできるようになります。なによりも、そこから得られる多くの収益で、アプリケーションソフトウェア産業という新しい成長分野を得ることにもなるでしょう。IT産業は決してGAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)の成功に終わるものではないはずです。
2018年11月
株式会社 シナジー研究所